築古1棟アパートは危険?節税目的の不動産投資で“選ぶべき物件”をWelth Agentが徹底解説
節税目的で不動産投資をするなら築古1棟アパートは危険。
購入直後は順調でも、数年後に思わぬ負担や出口の詰まりが表面化しやすい構造があります。
実は“別のタイプの物件”こそ節税と安全性を両立。
高所得者向けにWelthAgentが最適な選び方を解説します。
高所得層が不動産投資で節税を求める理由
不動産投資を活用して節税を図るサラリーマン投資家が、近年急速に増えています。
特に、課税所得が900万円以上の高所得層は累進課税の影響が大きく、給与所得のみでは税負担が重くなりやすい構造にあります。
この層の所得税率は33%〜45%に達し、住民税も一律10%かかるため、最高税率が実質的に55%となる可能性が高く、「何もしなければ税金が増え続ける」という状況に置かれているため、何らかの税金対策を講じない限り、毎年の手取りが大きく圧迫される傾向にあります。
【 課税所得とは 】
課税所得と税金が算出されるまでを整理すると以下の流れになります。
① 給与収入 - 必要経費(給与所得控除)=「所得」
※給与所得者の場合、実際の経費ではなく「給与所得控除」が自動的に適用されます。
② 所得 - 各種所得控除(基礎控除・扶養控除など)=「課税所得」
※この「課税所得」が税金の対象となる金額です。
③ 課税所得 × 税率 - 控除額 - 税額控除 =「所得税額」
※税率は累進課税であり、課税所得が増えるほど税率が上昇します。

■所得税の早見表

減価償却を使った節税が効果的な理由
所得控除等を給与年収の20%前後と仮定すると、給与年収1,200万円以上(1,200万円×80%=課税所得900万円以上)の方は課税所得が大きくなりやすく、税率も33%〜45%の高いゾーンに入るため、何かしらの税金対策が必要とされています。
しかしながら、給与所得者(サラリーマン)は経費を自由に計上できないため、課税所得が増えて税率が高く、結果として「税負担が重くなる」という問題があります。
そこで、減価償却を活用して不動産所得を赤字化し、給与所得と損益通算することで課税所得を圧縮する、という節税戦略が、改めて注目されています。
実際、減価償却は給与所得者が合法的に使える数少ない節税手段であり、年収が高いほど節税効果が大きくなるため、多くの投資家がこの手法を取り入れています。
【 不動産所得の計算方法と赤字化の仕組み 】
・家賃収入 - 諸経費(管理費・清掃費・修繕費・保険料など)= 不動産所得
※ここで、もし、建物の減価償却費が不動産所得を上回れば、次のような状態が生まれます。
・不動産所得 < 減価償却費 = 不動産所得が赤字になる
つまり、家賃収入から諸経費を引いた「不動産所得」がプラスであっても、減価償却費を加えることで不動産所得がマイナスになれば、税務上は赤字として扱われ、その赤字は給与所得と損益通算されます。
例:課税所得 1,500万円 ⇒ 不動産所得 ▲300万円 ⇒ 課税所得は1,200万円 に圧縮される
以上のように課税所得が減ることで、所得税・住民税が同時に軽減され、結果として 大きな節税効果が得られます。
節税目的の不動産投資で最も重要なポイント
しかし、節税目的で物件を選ぶ際には、必ず理解しておくべき「落とし穴」も存在します。
節税効果だけを見て物件を選んでしまうと、数年後に想定外の増税リスクに直面し、結果として 「節税どころか税負担が増える」 という本末転倒の状況に陥るケースが後を絶ちません。
その典型例として挙げられるのが「法定耐用年数を超えた築古物件」の購入です。
法定耐用年数超えの物件にはいくつかの構造的な問題を抱えており、節税目的の投資家にとっては避けるべき物件なのです。
では、節税目的の投資家はどのような物件を選ぶべきなのでしょうか。
以下では、節税目的の投資家が耐用年数越え物件を買ってはいけない理由と、どのような物件が最適であるかの根拠を解説します。
節税目的で気を付けるポイント
もし、節税目的でアパート投資を行う場合、気を付けなければならないポイントは「減価償却は永続するものではなく、必ず終わりが来る」という点です。
減価償却が終わった瞬間から状況は大きく変化し、毎年の不動産所得が黒字化しやすくなります。
黒字化した不動産所得は、そのまま給与所得に上乗せされますので、税負担が急増する可能性が高いのです。
つまり、減価償却で得た節税メリットを、減価償却終了後に“事実上返納する”構造になりかねない、ということです。
例えば、法定耐用年数を超えた木造アパートは、建物価格を4年間で償却できるため、短期間で大きな節税効果が得られます。
この「4年間で一気に減価償却できる」という特徴は、節税目的の投資家にとって非常に魅力的に映ります。
しかし、ここにこそ「最大の落とし穴」が潜んでいます。
法定耐用年数を超えた物件は「減価償却終了後」に税負担が急増しますので、5年後に必ず売却しなければなりません。
ですが、そもそも法定耐用年数越えの物件は売却が極めて難しい、という弱点を抱えており、節税目的の投資家にとってはリスクの高い物件なのです
節税目的で築古アパート投資が危険な理由①
法定耐用年数越えの物件が危険な最大の理由は、買手にとって「銀行融資がつかない」ことが最大の原因として挙げられます。
銀行は、融資期間を基本的には「法定耐用年数 − 経過年数」 で設定しますので、法定耐用年数越えの物件は、長期の融資期間を望めません。
この構造が、耐用年数越え物件の流動性を極端に低くしています。
「1棟収益不動産は流動性が低い」という言葉をよく耳にしますが、これは耐用年数越えの物件が売れ残りやすい現実を揶揄した表現でもあります。
耐用年数越え物件を買えるのは、現金買いの投資家や築古物件に慣れた投資家、または、高利回りを求める一部の層に限られ、一般的なサラリーマン投資家は融資幅が狭いため、買主の母数が極端に少なくなり、、、
という負の連鎖に陥る可能性が高まります。
これは、減価償却がなくなると、毎年の不動産所得が黒字化しやすくなり、黒字化した不動産所得は、そのまま給与所得に上乗せされるためです。
よって、累進課税により税負担が急増し、高所得者ほど税率が高いため、増税インパクトが大きくなり、今まで得た還付金を「事実上返納」する構造になり、4年間で得た節税メリット(還付金)は、5年目以降の増税によって徐々に相殺されていきます。
節税目的で築古アパート投資が危険な理由②
また、「法定耐用年数を超えた物件は、5年後に売却することが極めて難しい」ということであれば、 「土地値が高い物件にターゲットを絞り、最悪、更地にして売ればいい」 という発想に至る方も少なくありません。
しかし、この戦略にも重大なリスクが存在します。
それが 借地借家法 です。
借地借家法は、入居者(借主)を強く保護する法律であり、 一般的な「普通借家契約」が締結されている場合、 貸主が入居者を退去させることはほぼ不可能 です。
もちろん、立ち退き料を支払えば退去してもらえるケースもありますが、近年は立ち退き料の要求額が高騰しており、 数百万円〜数千万円規模になることも珍しくありません。
つまり、
という事態に陥る可能性が十分にあるのです。
「土地値が高いから安心」という考え方は、 借地借家法の存在を踏まえると、決して安全策ではありません。
では、節税目的の投資家はどんな物件を選ぶべきか?
節税目的で不動産投資を行う場合、最も重要なのは「減価償却による節税効果」と「出口戦略の成功確率」を両立できる物件を選ぶこと です。
この2つを同時に満たす物件は限られています。
そして結論から申し上げると、築10〜13年の木造アパートが最も合理的で、節税目的の投資家に最適な選択肢です。
なぜ築10〜13年が最適なのか。
その理由を3つの観点から詳しく解説します。
節税目的に最適な理由 ①
築10〜13年という築年数は、・節税効果・融資の通りやすさ・売却のしやすさの3つが最もバランスよく成立する「黄金ゾーン」です。
節税目的の投資家にとって、最も避けるべきリスクは「減価償却が終わったのに売れない」 という状況ですが、築10〜13年の物件であれば、このリスクを大幅に軽減できます。
築13年で購入し、5年保有しても築18年、木造の法定耐用年数は22年のため、まだ4年の耐用年数が残っています。
つまり、銀行融資がつきやすく、次の買主が確保しやすく、売却可能性が高いという大きなメリットがあります。
耐用年数を大幅に超えている築古物件と比べ、築10〜13年の物件は、この「出口の詰まり」が起きにくい点が最大の強みです。
また、築18~20年に融資する積極的な金融機関は、以下の金融機関が挙げられます。
これらの銀行は「(40年 or 50年 or 55年)- 経過年数」といった計算で融資期間が長く得られる可能性が高く、次の買手にとって購入しやすい条件が作れるのです。
そして、もし5年後売却できなくても、残りの残存年数内で売却できればいいのですから、精神的な余裕が生まれます。
節税目的に最適な理由②
築10〜13年の物件は、耐用年数越え物件のように「4年間で一気に償却する」ことはできませんので、節税効果が弱いと誤解されがちです。
しかし実際には、土地・建物割合の交渉によって減価償却費を大きく増やすことが可能です。
また、築10年~13年であれば、物件によっては、固定資産税評価額の按分比率が、そもそも「建物割合50%、土地割合50%」「建物割合60%、土地割合50%」の場合もあり、交渉を得ずして割合の高い建物価格が減価償却の対象にもなり、物件によっては築浅物件でも十分な節税効果の対象となりえます。
以上のことから、築10〜13年の物件は、
という3つのメリットが揃い、これは、節税目的の投資家にとって最も重要な3要素でもあります。
耐用年数越え物件のように「節税はできるが出口が詰まる」という弱点がなく、築10〜13年は、節税と出口戦略のバランスが最も良い“黄金ゾーン” と言えます。
節税目的の投資家が選ぶべき物件まとめ
今までのことをまとめますと、節税目的で不動産投資を行う場合、法定耐用年数を超えた築古物件はなるべく避けた方が無難です。
その理由は非常にシンプルです。
つまり、短期で節税できても、その後に税負担と売却リスクが一気に押し寄せる構造 になっています。
一方で、節税目的の投資家が選ぶべき物件は築10〜13年の木造アパートが最適です。
つまり、「節税効果 × 融資の通りやすさ × 売却のしやすさ」この3つを同時に満たす「黄金ゾーン」が築10〜13年なのです。
短期の節税だけでなく、「減価償却終了後の増税リスク」「出口戦略の成功確率」まで考慮したとき、築10〜13年が最もバランスの取れた選択肢になります。
優良な節税物件は、どうやって見つければいいの?
実は、この問いこそが多くの投資家がつまずくポイントです。
なぜなら、節税目的で本当に安全に投資できる物件は、市場に大量に出回っているわけではなく、ポータルサイトを眺めているだけでは見つかりません。
節税目的の投資家が見るべきポイントをすべて満たす物件は、市場の中でもごく一部に限られます。
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