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【2026年版】フルローンで1棟物件を買うと“融資が止まる”理由②|BSが弱くなる構造と次が買えなくなる仕組み

1棟物件のフルローンがBSを弱くする構造と「融資が止まる」メカニズム

フルローンで1棟物件を買うと、なぜ銀行は“融資を止める”のか。
減価償却・積算評価の低下・元金が減らない返済構造により、BS(純資産)が弱くなる仕組みを徹底解説。
会計上は黒字でも、銀行目線では債務超過になる理由が理解できます。

目次

融資戦略が詰まる構造

多くの人は、不動産投資を始めたるにあたり「フルローン」を選びます。

理由は、手元資金が減らずにして収益不動産を購入できるためです。

しかし、多くの人は 「フルローンの本当のリスク」 を正しく理解していません。

フルローンのメリット・デメリットを知っているつもりでも、 その多くはキャッシュフローの良し悪しに意識が向いており、 銀行が最も重視する BS(バランスシート)への影響までは把握できていないのです。

実際、フルローンで購入した直後から、

  • 建物価値の減価による積算評価の低下
  • 元金返済の遅さ

これらが同時に進むことで、 投資家のBSは徐々に弱くなっていきます。

そして、この「BSの弱さ」こそが、 次の融資を止める最大の要因になります。

つまり、フルローンの本当の問題は、 キャッシュフローではなく“融資戦略が詰まる構造”にあるのです。

フルローンは「BS(純資産)」が弱くなる

サラリーマン投資家が最も誤解しやすいのが、


「フルローンで買ったら、資産=負債だから純資産ゼロでしょ?」

という考え方です。

この考え方で、もし1億円の物件をフルローンで買うと、

  • 資産:1億円
  • 負債:1億円
  • 純資産:0円

確かに、帳簿上は純資産はゼロに見え、問題ないように思えます。

しかし、銀行が見ているのは会計上のBSではなく、銀行独自の担保価値によるBS です。

つまり、銀行が見ている世界と投資家が考えている世界は全く違うのです。

ここを理解しないと、 なぜフルローンはBSを弱くするのか、が理解できません。

ですから、「区分マンション・1棟アパート・1棟マンション」をフルローンで買った瞬間のBSは、「純資産ゼロ」ではなく、

正確には、“積算評価ベースで見ると、実質的に純資産がほぼマイナス”という状態です。

例えば、物件価格1億円の1棟アパートを購入したとします。

そして、一般的に、積算評価は市場価格の 60〜70% 程度。

仮に積算評価が 6,500万円 とすると・・・

  • 資産(銀行評価):6,500万円
  • 負債(借入金):1億円
  • 純資産:▲3,500万円

つまり、 購入した瞬間から“銀行目線では”純資産がマイナスです。

これがフルローンの本当のスタート地点ですが、フルローンの危険性は、 時間の経過とともにBSがさらに悪化する構造にあります。

フルローンの危険性① 減価償却で建物価値が毎年下がる

建物部分は法定耐用年数に基づき、毎年会計上の価値が減っていきます。
例えば、建物価値6,000万円・耐用年数22年なら、毎年約270万円ずつ資産が減少します。

資産が減るということは、 純資産がその分だけ悪化するということ。


積算が6,500万円しかない状態で、 そこからさらに建物価値が削られていくことになります。

フルローンの危険性② 積算評価も築年数とともに下がる

銀行が担保として見る積算評価は、建物の残存年数が減るほど低下します。

  • 築浅:積算が高い
  • 築古:積算が急落
  • 築20年超 → 建物積算はほぼゼロ

つまり、銀行目線では 担保価値が毎年減り続ける資産を持っている状態。

資産価値が下がるのに、借入金はほぼそのままですから、 銀行から見れば、担保余力がどんどん失われていく状態にあります。

フルローンの危険性③ 残債は大きく残り続ける

多くの投資家は、「返済している=元金が減っている」と思いがちですが、実際のローン返済はそんな単純ではありません。

特に 30〜35年の長期ローンでは、 最初の数年間は“ほぼ利息だけ”を払っている状態になります。

これは、ローンの返済方式が 元利均等返済(毎月の返済額が一定) であることが原因です。

例えば、1億円を30年ローンで借りた場合、 最初の5年間でどれくらい元金が減るかというと…

  • 1年目:ほぼ利息
  • 2年目:まだ利息が中心
  • 3年目:少しだけ元金が減り始める
  • 5年目:ようやく元金返済が増えてくる

5年経っても、最初の数年間は“ほぼ利息だけ払っている”状態ですから、残債は減らないままというのが普通です。

ここで重要なポイントは、元金が減らない一方、 資産(積算評価・建物価値)は毎年確実に減っていく、という事実です。

建物価値は減価償却で毎年減少
積算評価も築年数とともに低下
しかし残債はほぼ横ばい

つまり、

資産が減るスピード > 負債が減るスピード

という状態が、 購入直後から数年間ずっと続くのがフルローンの最大の弱点です。

ですから、フルローンは資産が減るのに負債が減らない=純資産がマイナス化しやすいという構造的な弱点を持っており、これが、一部の投資家の間でよく言われる、「フルローンでの継続購入はいずれ積む」の本当の意味です。

キャッシュフローが黒字でも、BSが弱ければ銀行は融資を止めます。

この“資産が減るスピードのほうが速い”という構造こそが、フルローンの最大の弱点であり、銀行から見たBS(バランスシート)が悪化していく本質的な理由です。

フルローン=悪ではない

ここまで読むと「フルローンは危険」と感じるかもしれませんが、

フルローン=悪ではありません。


賃貸運営が黒字ならフルローンでもBSは徐々に回復します。

その理由は、BSを回復させる“2つのエンジン”が働くからです。

① PLの純利益 → 利益剰余金として純資産が増える

物件運営が黒字であれば、PL(損益計算書)に純利益が計上されます。

この純利益は、BSの「利益剰余金」として振り替わり、純資産を増やす効果があります。

つまり、運営が黒字であればあるほど、 毎年、純資産が自動的に増えていく仕組みになっているので、これらが積み重なるほど純資産は増え、債務超過が縮小していきます。

【純利益が増える要因】 
・家賃収入の安定 
・空室対策による稼働率改善 
・経費削減(管理費・修繕費の最適化) 
・適切な運営管理 
・家賃アップ(リフォーム・募集戦略)

② 元金返済 → 負債が減り、純資産が増える

5年経っても最初の数年間は、ほぼ利息だけ払っている状態だから残債はほとんど減りません。

ここまでは「元金が減りにくい」というフルローン特有の弱点ですが、ここで誤解してはいけない重要なポイントがあります。

元金返済が少ない=元金返済が“ない”わけではありません。

たとえ返済初期に元金の減り方がわずかであっても、 減った分は必ず負債の減少としてBSに反映され、 純資産を確実に押し上げるエンジンとして働きます。

元金返済はPLには出ませんが、BSでは負債が減るため、純資産が増えます。

例:年間元金返済200万円
→ 負債200万円減少
純資産200万円増加

よく「返済が進むと物件の持分比率が上がる」と言われますが、 より正確には、 元金返済とは“純資産を確実に積み上げる仕組みそのもの” です。

家賃が多少下がっても、経費が多少増えても、景気が悪くなっても、 元金返済だけは毎年必ず純資産を増やす。

これは株式投資や事業投資には存在しない、不動産投資だけが持つ“唯一無二のメリット”です。

例えば、年間純利益が150万円、元金返済が200万円なら…

  • 利益剰余金:+150万円
  • 負債減少:+200万円
  • 純資産:+350万円/年

となります。

フルローンであっても、運営が安定していれば、 毎年350万円ずつ純資産が積み上がる計算になり、 これが5年続けば純資産は+1,750万円。

つまり、フルローンでも黒字運営ができる物件であれば、 BSは着実に回復していくのです。

ダブルエンジンでBSは回復する
PLの純利益(利益剰余金)+元金返済(負債減少)

ただし、「資産<負債」の状態が続くと融資は伸びない

ここが“最重要ポイント”で、会計上のBSが回復しても、 銀行が見るのはやはり 積算評価ベースのBSです

つまり、会計上の純資産、銀行が見る純資産(積算ベース)は別物

銀行は「積算評価」を基準にBSを判断するので、積算評価が下がる⇒残債がほとんど減らない⇒担保余力が不足する、この状態が続くと、銀行はこう判断する。

「実質的に債務超過」

つまり、 会計上は黒字でも、銀行目線では“融資できない体質”になるのです。

ですから、フルローン=悪ではありませんが、危険なのは“資産<負債”が続く買い方。

フルローンでも、黒字運営、元金返済、利益剰余金の積み上げ、この3つが揃えば、 BSは確実に回復しますが、積算評価が低い物件、残債が減らない長期ローン等、こうした条件下でフルローンで買うと、 資産<負債、の状態が長く続き、融資が止まるのです。

銀行は「購入後の姿」で融資枠を決める

残債が多くても、金融資産がそれを上回れば資産が勝ります。

保有不動産+金融資産>負債

ただし、銀行は、投資家の融資枠を決める際に、「購入後の姿」 を前提に審査します。
これも非常に重要なポイントで、多くの投資家が誤解している部分です。

購入前の金融資産は“参考程度”で、銀行は、あなたが今どれだけ金融資産を持っているかよりも、購入後にどれだけ残るかを重視します。

そして、 購入後に手元資金が減ることを織り込み、“購入後の金融資産”が銀行の評価対象です。

例:購入前3,000万円 → 購入後1,000万円

銀行はこう判断します。

この人は金融資産1,000万円の人

購入前にいくら持っていても、購入後に残る金額があなたの“実力”として評価されるのです。
これが“みなし”と呼ばれ、銀行は、購入後の状態を想定してみなしのBS(調整後バランスシート) を作成します。

  • 購入後の金融資産
  • 積算評価
  • 残債
  • 年収による返済能力

これらを総合して、

「この人には最大○○万円貸せる」

と判断するのです。

次の記事③では、この“核心”を徹底的に解説します

次の記事③では、“融資が続く人と止まる人の決定的な違い”を解説します。
銀行が見ている三本柱、自己資金の本質、SNS成功談の落とし穴、 そして「どうすれば融資が続くのか」という結論 をお伝えします。

👉【2026年】フルローンで1棟物件を買うと❝融資が止まる理由❞③|融資が続く人と止まる人の決定的な違い

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