不動産投資の最大のリスクは「家賃の下落」
インフレになった世の中で、「現金の価値」について、考えなければなりません。
なぜなら、銀行に貯金している「現金の価値」が下落するからです。
インフレは、現金価値を下落させる脅威な現象なのですが・・
現金の価値を下落させない方法があります。
その一つが「不動産投資」です。
不安定な経済情勢でも家賃収入が安定して得られる「不動産投資」は、インフレの現代で注目されています。
とはいえ、コロナの影響で、家賃収入が徐々に減収する、という現象もあり、
パンデミックに対しては弱い、という側面が露呈されました。
「不況には強い」が「パンデミックには弱い」
という不安定な状況(家賃収入)を安定させるには、どのような対策が必要でしょうか。
家賃の下落率とその対策
不動産投資を成功へ導くには、家賃が下がるリスクを予め把握する、必要があります。
どんな不動産でも永久的に家賃収入に変化が無い、ということは無く、物件によって家賃収入は上下します。
例えば、
様々な要素が家賃に影響を及ぼしますが、その中でも賃料の変動に大きく影響を及ぼすのが、
下の図は東京23区内の賃貸マンションの成約事例を基に、建物構の経過年数が賃料に与える影響を分析した表になります。
この図を見ると、新築物件が賃料の募集を始めた築1年~築2年の家賃は割高であり、築4年目から築10年目頃まで、急激に賃料が低くなる傾向にあります。
【築1年目から10年目までの下落率】
・1R、1K等シングルタイプ ➡△1.7%/年
・1DK・1LDKコンパクトタイプ ➡△2.2%/年
そして、築11年目~20年目の下落率は緩やかな傾向にあります。
【築11年目~20年目の下落率】
・1R、1K等シングルタイプ ➡△0.6%/年
・1DK・1LDKコンパクトタイプ ➡△0.9%/年
更に、築20年目~25年目の下落率は緩やかな傾向にあります。
【築20年目~25年目の下落率】
・1R、1K等シングルタイプ ➡△0.1%/年
・1DK・1LDKコンパクトタイプ ➡△0.7%/年
以上のことから、築浅物件であれば家賃下落率は高く、築10年目から家賃下落は緩やかになり、築20年目からは家賃が安定することが考えられます。
空室率とその対策
不動産投資では、家賃の下落率を考慮することは大切な要素ですが、これは、入居者が部屋を借りていることが前提となります。
では、不動産投資で入退去を考慮する必要はないのでしょうか。
そんなことはありません。どのような物件でも、年中満室稼働、という物件は無いからです。
ほぼ高い確率で、少なくとも1室~2室の入退去はあります。
ですから、不動産投資では、賃貸戸数の稼働率(空室率)についても考慮する必要があるのです。
下の表は、IREM JAPANが主体となり公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、株式会社LIFFLEが調査した内容です。
全国の管理会社より集めた、1年間の日本全国の賃貸住宅の経営結果を分析している内容で、 地域別・物件タイプ別、立地別に分析をかけています。
この分析表によると・・
東京都内一棟アパート(木造)の空室率は築20年以上で2.68%。
これは1年間で、例えば10室×365日=3,650日稼働する予定の物件があったとしたら、
実際は・・
3,650日×97.32%=3552日の稼働であった
つまり・・
「3,650日-3,552日=98日(約3カ月)の空室」があった
ということを意図します。
それでは東京都内一棟マンション(S・RC造)の空室率はどうでしょうか。
この分析表によると、東京都内一棟マンション(非木造)の空室率は平均値で3.07%です。
これは、一年の間で例えば10室×365日=3,650日稼働する予定の物件があったとしたら、
実際は・・
3,650日×96.93%=3,537日の稼働であった
つまり・・
「3,650日-3,537日=113日(約3.7カ月)の空室」があった
ということが分かります。
結果、一棟アパート・一棟マンションの空室率は2.68%~3.07%であることが分かりました。とはいえ、稼働率はすこしストレスを加えた95%稼働で設定することがオススメです。
まとめ
冒頭で記載させて頂いたように、「家賃の下落を抑える」というよりも「下がるリスクを予め把握する」ことが大事な点で、不動産投資は賃貸経営と言われるように、購入後の安定した家賃収入を生み出すのは「下がるリスクを予め把握する」からこそであり、既存の入居者を大切に管理運営すること、家賃下落率と空室率を最小化するプロパティマネジメントが求められます。